スープに使う水や麺をゆでるお湯、そして飲料水等、
ラーメンと水は切っても切れない関係です。
だから、たかが水といって軽視していると、
痛い目に合う事は何となく想像がつくはず。
水に関する基本の考え方を身につけて
より美味しい、より安定したラーメン作りを心がけましょう。
ラーメンに適した水の硬度とは?
硬度とは難しく言うと、水中に溶けているカルシウムと
マグネシウムのイオン量をこれに対する炭酸カルシウムの
ppmに換算して表す数値。
ん?理工学部工業化学科出身の私でも
こう言われたところでピンときません(^_^;)
という固い話はさておき、ラーメンに適した水の硬度は
どのように考えたらいいのかというと、、、
・豚骨のような素材をベースにスープを作る時は硬水。
・煮干しや野菜のような素材をベースにスープを作る時は軟水。
と一般的に言われています。
って言われても、今のお店の蛇口から出る水は
『硬水』なのか『軟水』なのかわからんよ!!
となると思いますので、ここを参考にしてみて下さい。
全国都道府県別・平均硬度ランキング
※E列値を良く見て!
同じ蛇口をひねって出る水も地域によって
こんなに差があるんですね。
ん~何だか、うちは豚骨のだしがよくでないな・・・
おれの腕が悪いのか???なんて落ち込んじゃった店長。
いやいや、そうではありません。水のせいですよ。
もし、機械等を導入せず、蛇口の水で勝負する場合は
その地域の水質にあったスープ作りを検討してみて下さい。
尚、麺を茹でるお湯については硬度を気にする必要はありません。
ラーメンに適した水のペーハー(ph)とは?
この水のペーハー(ph)とは難しく言うと、
水中に溶けている水素イオンの濃度指数の事。
7を基準として中性とし、数値が少ないほど酸性、
数値が高いほどアルカリ性と定義されています。
そう言えば、小学生の頃、リトマス紙を使って実験しましたよね。
「信号機 青が赤になったら、歩けない。」(青→赤でアルカリ性)
なんて覚え方をしたもんです。
さて、ラーメンに適した水のペーハーは
どのように考えたらいいのかというと、、、
・少しだけアルカリ性(ph7.5)の水を使うとスープに厚みがでる
と一般的に言われています。
んなこと言われても、今のお店の蛇口から出る水は
『酸性』なのか『中性』なのか『アルカリ性』なのかわからんよ!!
となると思いますが、水道水の基準値は5.8以上8.6以下と
国で定められており、大体、PH7前後で落ち着いています。
因みに東京の水道水のpHは、平均7.5(6.9~7.9)だそうです。
調べる機械は1625円とそんなに高くないので一度測定してみましょう。
もし、水道水が中性よりもやや酸性のphになっている場合は
試しにセラミックボールを使ってアルカリ水を作り
実際に味の変化を確かめてください。
もし、劇的に味が向上したなら、
専用の機械導入を検討してみてはいかがでしょうか。
アルカリ性の沸騰水で麺を茹でないで・・・
アルカリ性のお湯で麺を茹でるのは絶対には止めて下さい。
アルカリ性のお湯で麺を茹でると麺表面のグルテンの結合が弱くなり、
ボロボロになって煮崩れを起こします。→のびやすい麺になる。
常温では中性だから大丈夫だろう!と安心してはいけません。
沸騰させるとアルカリ性に変化する場合があります。
自然水には重炭素塩というものが含まれており、
その重炭素塩は加熱されると炭酸ガスを放出して水に溶けだし、
phが急上昇、強いアルカリ性となってしまうのです。
だから、低温度の水のphを計測するだけではなく、
実際に麺を茹でる時の沸騰した水のphを計測する必要があります。
麺がやけにのびるなぁ・・・と感じた店長は
是非一度、水のphを調べてみて下さいね。
中性にも関わらず麺がのびる場合は、
それは麺がダメです。大長軒食品工業の麺を使って下さい(^^)
以上、何だか、宣伝みたいな終わり方になってしまいましたが、
ラーメンに適した水と、硬度とペーハー(ph)について
少しでも理解出来ましたでしょうか?
より細かい話はお電話にてお話しましょう!
お問い合わせはこちらから。
追伸:
個人的な意見で大変恐縮ですが、お店に置いてある飲料水。
あまりにもカルキ臭すぎる水だと、料理がまずく感じます。
どうか、飲料水にも気を使っていただけると嬉しいです。